「柔軟な発想と生きる力を鍛える—『うさぎとかめ』から学ぶ勝負の本質」

「うさぎとかめ」

この話で学ぶべきことは何でしょうか?

門下生A君はこう答えました。
「この話で学べることは二つあります。ひとつは、どんなに自分が優位に立っていても、油断してはいけないということ。もうひとつは、努力をし続ければ、必ずゴールにたどり着けるということです!」

次に私はこう尋ねました。
「では、物語の内容で少し疑問に思うことはありますか?」

門下生たちの答えは次のようでした:

「うさぎとかめが喋るのはおかしい」
「亀もウサギも二本足で走るのはおかしい」 など
さらに私はこう言いました。「『もしもしかめよ』という歌でも分かるように、うさぎはかめの遅さをからかい、かめは『負け戦』だと分かりつつ、ふもとの山までの競争を申し出ます。どうして、かめは負けが分かっている競争を挑んだのでしょうか?」

B君「かめはバカだから…」

そこで私はもうひとつ質問しました。
「では、うさぎが寝ている間、そっと横を通り過ぎるのはフェアではないのでは?」

Cさん「私はうさぎを起こして、そこから競争を再開すべきだと思います。」

D君「競争だから、起こす必要はないと思います。」

私「それでは、話を少し変えて考えてみましょう。もうすぐかめがゴールに近づくとき、振り向くと猛ダッシュでうさぎが追いかけてきています。このままいけば、かめが先にゴールすることは間違いありません。でも、そのゴールのすぐ近くに、川があって目の見えない人が川に落ちそうです。もしあなたがかめなら、どうしますか?」

みんな「目の見えない人の命の方が競争よりも大事だから、助けます。」

私「なるほど。それでは、少し状況を複雑にしてみましょう。もし、この競争が猟師によって仕組まれていて、先にゴールした者は命を助けるが、後にゴールした者は丸焼きにすると言われたら、どうしますか?」

E君「自分の命が大事だから、目の見えない人を助けない。」

F君「まず、うさぎが追いつくのを待って、一緒に目の見えない人を助けます。その後、猟師に事情を説明し、競争をやり直します!」

みんな「おおー!」と驚きの声が上がりました。

Cさん「私は、目の見えない人に『あぶないですよ、動かないでください』と言って、まずは川に落ちないように警告します。その後、ゴールを目指して走り、ゴールした後にその人を誘導します。」

私「素晴らしい!非常に効果的な方法です。」

最後にG君がこう答えました。
「かめはまず目の見えない人を助け、その後、川に飛び込んで逃げます。ウサギは先にゴールできるので、猟師に食べられることはありません。」

確かに、F君の提案もいいですが、最終的にはどちらかが丸焼きにされてしまいます。また、Cさんの「言葉で危険を回避する」方法もシンプルで素晴らしいですが、後からゴールするウサギの命を助けられません。その点G君の答えは、目の見えない人を救い、かめが川で脱出し、さらにウサギの命も救うというのは、すべての命が守られる最も理想的な解答です。

私の道場では、空手の稽古を通じて、柔軟な思考を鍛え強く生き抜く力を身につけて頂きます。


   

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