「集中して稽古する気持ち良さ!!」
私たちの道場では、基本的に60分の稽古を行いますが、60分間ずっと集中するのは本当に難しいことです。
そこで、20分集中して少し休み、また20分集中して休む、これを理想として稽古を組み立てています。
でも、小学生にとっては20分といえど集中力を切らさないというのは結構大変です。
だから、10分集中して少し休むでも全然問題ありません。
大切なのは、60分の稽古の間に一度も集中しないまま終わることがないようにすることです。

武道は自分と向き合う時間です。
学校のように「あれをしなさい、これをしなさい」と指示するのではなく、自分で考えて行動することが大切です。
初級者には手取り足取り教えますが、中級・上級者には静かに見守ることが理想だと思っています。それでも、ついつい厳しく指摘してしまう自分がいます。
道場で入ってきた時と全く同じ汗をかかず、サラサラの道着のまま帰る子も時々います。
それは、何もしていない証拠です。
中級・上級者なら、せめて1回は集中してゼーゼー息をするくらいの努力をしてほしいと思います。
大人クラスでは、動作ごとに力を入れているかチェックします。
そのため、みんな力強く取り組んでいます。
時には拳の位置が高くなってしまい、正しい位置に直そうとしても、力がもの凄く入っているため動かせないこともあります。
初級や中級の稽古では、まずは目一杯「力を入れる」ことがもっと大事だと思います。
その段階を経て「力を抜く」技術のステージに入るのが望ましいです。
最近、忙しくて道場に来られないMさんの空手着は毎回血だらけです。
組手ではなく、基本や移動の練習で、内肘が擦れて傷になってしまうのです。
これは1突き、1突きを全力で繰り出さないとこうはなりません。
真似しようとしても簡単にはできるようなものではありません。
そしてMさん、毎回滝のような汗をかいて稽古を終えますが、空手着サラサラで稽古を終えるより滝汗かいて稽古を終える方がずっと心地よいのは明らかです。
みんなが稽古を通じて、自分自身と向き合い、真剣に取り組む姿勢を大切にしてほしいと思います。
それが、武道の本質です。