子育て

先日、門下生のお母さんから「師範はどのような子育てをされてきましたか?」という直球の質問を投げられました。空手道場を運営していると実はこの質問がとても多いです。皆さん、多かれ少なかれ悩まれていると思います。正直、子育てにこれといった決まったセオリーはないというのが私の考えです。しかし、これでは折角相談に来られたお母様を落胆させることになるので、良いか悪いかは別として、私が心がけてきた子育てをお話をすることにしています。

私には2人の子供がいまして、上はもう30歳を超え、下も26歳を超えたので子育て終了から大分時間は経過しています。それゆえ若いご父兄に私の経験則が通用するかどうかはわかりません。ただ、こんなやり方もあるんだ、、、ぐらいに軽く捉えて頂ければ幸いです。

私は常に「子供の波」というものにアンテナを張っていました。そして波が来たらちゃんとその波に乗れるようにサポートしてきました。波と言っても「時代の波」・・・いわゆる流行とは違います。私の言う「子供の波」とはその子その子が持つ独自の「波(やる気)」を指します。子供に波が来た時は「お〜〜いいぞ、頑張って乗れ!!」と全力で応援します。子供が何かに興味を示した時は、必ず子供の内面で大きな波がせり上がっています。その波(やる気、興味、ワクワク)を親はしっかり見極め、その波にうまく乗れるようにしてあげます。それは全力の応援であったり、さらにその興味が湧くような状況を整えてあげたり、波への乗せ方は様々な方法が考えられます。最初は小さな波で訓練し、その波に自分の力でだけで乗れるようになったら、もう少し高い波に乗れるようにサポートしてあげます。すると小さい波では味わえなかった達成感、充実感を子供は感じるはずです。ここまでが親の仕事。あとはもっと大きな波に乗るにはどうしたらいいか?その波に乗ったら今よりもっと達成感、充実感を味わえるはずだ!!という期待を持って子供は自分の力でより大きな波に向かってテイクオフしていきます。小さな波、中くらいの波でワイプアウト(サーフボードから落ちること)したら、どう対処すべきかをしっかり体験できている子は大きな波でワイプアウトしても親は遠目で見守っているだけで大丈夫です。必ず、その子は自分の力でまた大きな波に立ち向かっていきますから、、、。そうそう、大切なことを伝えなくてはいけません。子供に「波」が来てない時に無理にサーフボードに立たせようとしてもそれは無理というものです。

波乗り上級者だって波がない時とは立つことは出来ないのですから、出来ないものを「なぜ出来ないの!」と叱ることだけは厳に控えなければいけません。ご父兄の中に、凪(波が全くない状態)で頑張って!!という方が多いですが、これはちょっと子供がかわいそうです。それから波がないからといって勝手に親が波を作り出す場合も見受けられますが、それは「親の波」であって「子供の波」ではないのでそんな波に乗ったところで子供は達成感、充実感を味わうことができません。

私の子達は今でも大きな波に果敢に立ち向かっていきますが、自分の力だけで波に乗れた達成感をしっかり解っているので、親としては不安は全くありません。むしろ、今後どんな大きな波まで挑戦するのだろう?という期待しかありません。

なお、2人とも空手有段者です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です